口が悪くて、失敗する人は意外といます。コラムニスト・ひかりさんが、厳しくも愛をこめて、恋愛に悩む人のお悩みにお答えします。
■毒舌キャラはどうすればよい?(Cさん・30歳)
昔から「毒舌だね」と言われます。思い返すと、今までもその毒舌っぷりで、二度と会うことなく終わってしまうことが多かったです。先日は気になっている相手に「Cさんって、上から目線で、優しさのない毒舌だね」と言われてしまいました。「優しさのない」と言われたのはかなり傷つき、そこから喧嘩越しの会話になり、その人とは上手くいきませんでした。
今まで人に媚びないこと、思ったことをストレートに言ってしまうことは、自分らしさだと思っていました。今後は、男性に媚びるような振る舞いを見直したほうがいいのでしょうか? それとも、自分に見合う男性がいると信じて自分らしさを貫き通したほうがいいのでしょうか?
■Cさんへの回答
「毒舌であること」と「媚びないこと」はイコールではありませんよ? さらに、人を傷つけるようなことを言うことが、本当にCさんの“自分らしさ”なのでしょうか? 毒舌なのは、媚びてないからだと思っていることも含め、もしかしたら、都合の良い解釈をしてしまっているかもしれません。もちろん、サービス精神を持って、毒舌を言う人はいます。でも、それが笑えない内容だと、単なる悪口になり、相手に嫌われるだけです。
例えば、相手の欠点をズバズバ指摘するのはサービスによる毒舌を通り越して、単に失礼な人です。言葉は人を幸せにもするし、傷つけもします。だから、使い方が大切なのです。どんなときも、物は言いようです。同じメッセージであっても、言い方次第で相手への伝わり方は違います。
Cさんは、まずは自分が言っていることで、人に不愉快な思いをさせてしまっていることを理解したほうがいいでしょう。それに関しては、自分らしさもへったくれもありません。人を傷つけていいわけがないからです。傷つけられた言葉を何十年たっても覚えている人だっています。それくらい言葉というのは、威力があるのです。
■思いが言葉になる
実は、それ以前に一つ気になることがあります。なぜ、「毒舌であること」と「媚びないこと」がイコールになってしまうのか。「媚びる=嘘をつく」ことであるならば、その毒舌は本心だということでしょうか?ハッキリ言ってしまえば、言い方を多少直したところで、失礼な人は直りません。思いが言葉になるからです。
だからこそ、言葉を直す以前に、心の在り方や物の見方を変える必要があるでしょう。心の在り方で言えば、「相手を喜ばせたい」「相手を幸せにしたい」と思ったときに出てくる言葉は変わってきます。そんなときは相手の素敵なところを褒めたくなるし、相手が面白がる話をどんどんしたくなります。ただし、思ってもいないことを褒めてしまったら、それは確かに「媚び」になります。相手を喜ばせるために、そんな嘘をつく必要はありません。
でも、もっと人に対して優しい気持ちを持てるようになりませんか? それだけで言葉は変わりますよ?さらに、Cさんは、もっと自分の能力を良いことに使ったほうがいいでしょう。毒舌な人は、物事の本質を見る洞察力があることも多いもの。でも、実は世の中は多面的です。悪い面があれば、必ず良い面もあります。
つまり、毒舌な人は、悪い方の一面ばかり見てしまっている可能性が高いのです。良い面に気付けるようになると、言葉は変わってくるでしょう。
例えば、気弱な人は、人の気持ちを汲み取れる優しさがあるかもしれません。大雑把な人は、細やかなところにグチグチ言わない大らかさがあるとも言えます。つまり、人のアラ探しばかりをしないで、相手の長所を見て、相手が喜ぶような言葉のプレゼントができるようになると、随分、変わってくるでしょうね。
それができるようになったときは、相手の反応も自分への評価も良くなってくると思いますよ? その洞察力を自分も人も幸せにする方向で生かせるようになるといいですね。
(コラムニスト・ひかり)
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