オーバー30の独身女性が結婚相手に高水準を求めると、ネット上で猛反撃される現象が、もはや定番となりました。
ですが、叩かれると理解しているからこそ発言しないだけで、そういった女性たちはいまも一定数、存在しているはずです。
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わたしが受けている恋愛相談では、公務員で自分専用の一軒家を持つ彼と、性格が合わないけれど別れるか否かを迷っている女性がいました。
また、これは5年ほど前になりますが、婚活パーティに行った際、「ここには社長がいない」と、さっさと見切りをつけて退席した女性もいました。
そういった相談や事実を目の当たりにしているからこそ、高水準を求める女性はじつは意外と多いのでは…と考えた次第です。
ですが、相手の条件を優先して、本当に心から幸せになれるでしょうか。幸せを感じる基準は人それぞれですが、「わかってはいるけれど条件を無視することができない」という女性に、今回は、高スペックと結婚した女性の現実をお伝えします。
■医師と結婚した女性のケース
ある医師を取材したとき、すでに彼は高齢だったので、奥さまに先立たれた後でした。
ですからこれは男性側から聞いた意見になりますが、若い頃から奥さまはずいぶん寂しい思いをし続けたのでは、と感じました。
彼は若い頃外科医で、いまより医療技術が発達していない時代に第一線で活躍していました。
医療技術がいまより発達していないということは、術後、患者さんの容体が一変する恐れも現代より多くはらんでいるということです。
患者さんの急変に対応するためには、勤務後、自宅にいたのでは間に合いません。
というわけで彼は、術後、一週間は病院へ泊まり込んでいたそうです。
担当した患者さんが1人のみということはありませんから、あまり自宅には戻れなかった、ということです。
しかも休日は、ほかの病院で後輩の指導や研修などがあり、ほぼ外出。
おふたりにはお子さんがいらっしゃいますが、子育てで悩んだときは奥さまが独りで乗り越えなければならないときも多かったはずです。夫婦ではありますが、激務すぎる夫に相談することは避けなければならない状況が、ずっと続いたのです。
彼は、「妻には本当に寂しい思いをさせた」と語っていました。
■自営業者と結婚した女性のケース
起業して数年後、会社の業績が悪化し、子どもの学資保険まで解約して危機を乗り越えた、という自営業者と結婚した女性もいます。
もちろん妻は、専業主婦を卒業。週5日、パートで稼ぎ家事、子育て全般を担うことになりました。夫がその後、何十年も1日も休まず働き続けたからです。子どもは、家族旅行の経験もなければ、父親が運動会に姿を見せた記憶もないそうです。
これじつは、わたしの両親の話です。
その後、会社が軌道に乗り何とか事なきを得ましたが、母は当時、寂しそうでしたし、「いつ寝ているんだろう」と疑問に感じるほど働いていました。
自営業者と結婚すると、抱えるリスクを教えてもらった気がします(と言いつつ、わたしも自営業者ですが)。
ちなみにこの2つのケースは、ともに恋愛結婚です。
女性側は男性のスペックを重視したわけではありません。愛の上に夫婦としての絆がしっかりと結ばれていたからこそ、乗り越えられたと言えます。愛を置き去りにしてスペックばかりに重きを置いていたら、破綻していたかもしれません。
ですから、どうしても男性の高スペックが結婚条件として譲れないあなたは、ぜひ上記2例を忘れないようにしてくださいね。
(内埜さくら)
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