※この記事は2021年10月7日に更新されています。
婚活の場で時々見かけるのが、毒舌キャラで周囲から注目されようとしている人の姿だ。最近は芸能界でも毒舌キャラを売りにしている人が多く、毒舌キャラに憧れている人は少なくない。
しかし毒舌を吐いている人が、婚活の場でモテている訳ではない。むしろ痛い存在として、遠巻きにされていることがほとんどではないだろうか。そこで今回は痛いと思われない毒舌の吐き方と、毒舌と悪口の違いについて紹介する。
目次
毒舌は難しい高度なテクニック
愛想を良くした方がコミュニケーションは成立しやすい。ギクシャクするよりも気持ちよくやり取りしたほうが心地よい会話ができる。だがコミュニケーションにも様々なカタチがあり、「毒舌」と呼ばれる独特の感性でコミュニケーションをとる者もいる。
毒舌と聞けば“きつい”とか“言いすぎ”といったマイナス面をイメージしがちだ。しかし根っから悪い性格というわけではない。あくまでも物の言い方や意見の仕方が個性的というだけ。
芸能人でいえば有吉弘行やマツコなどが思い浮かび、不思議と彼らの毒舌に引き込まれ耳を傾けてしまう。毒舌キャラに需要があるため、耳を傾ける視聴者が多い。
有吉やマツコの毒舌はなぜ嫌われない?
ところが最近では、毒舌を履き違えた“素人”がいる。さらに問題なのは合コンや街コンといった出会いの場でも、“毒舌キャラ”と遭遇することだ。毒舌とは少しばかり“辛口な表現”で否定や意見をして嫌味や文句も吐くが、正論だからこそ成り立つ高度なテクニック。
しかし毒舌の意味を履き違えて“強引なキャラ”を演じる素人が、婚活の場にも出没してきている。Sっ気を出したいのか興味を惹きたいのか定かではないが、やり方を間違えると単なる邪魔者になりかねない。そもそも毒舌とはスタイルやキャラではなく、一つの表現方法。マネしてみても、筋が通っていなければ嫌悪感を与えるだけになる。
有吉やマツコの話に共感し耳を傾ける人が多いのは、たとえ毒舌であっても筋が通っており共感できるポイントが多いからだろう。そして何より辛口でありながら言葉選びが慎重で、気遣いやフォローを話の節々に交えているからである。
毒舌を披露している本人はいいかもしれないが、婚活の場で意味を履き違えた毒舌キャラに遭遇すると実に不愉快で面倒。
嫌われない毒舌の条件
ただ婚活の場において上手に毒舌キャラを出すことができれば、周囲のライバルと大きく差をつけることのできるアドバンテージにもなる。では相手に嫌悪感を与えることなく好かれる毒舌キャラになるには、どうすれば良いのだろうか。
確信を突いている
有吉やマツコの毒舌が多くの人に受け入れられているのは、本質をわかりやすくシンプルに伝えられているからだ。
毒舌の基本を習得するには、まず毒舌を吐く対象の情報を瞬時に処理し、的確にアウトプットする能力を人一倍持っている必要がある。過度な言い回しや余計な一言、オブラートに包んだような回りくどい伝え方では、ポイントがブレてしまって相手に伝わりづらくなってしまうのだ。
「もう少し、相手に対する接し方や心配りに気をつければ、結婚相手として意識されやすくなるかも。次のチャンスでは、やり方を変えてみたら?」というような言い方では、相手は傷つかないかもしれない。しかし問題の本質がわかりづらく、何が言いたいのかわからない。
そこで「あなたが結婚できない理由は、気遣いが足りないから。だから接し方も雑なの。性格の問題だから、まずはそこから直しなさい」のように一見ストレートで辛辣な言い回しの方が、格段に問題点がわかりやすく、確信を突いたものになるのだ。
あえて毒舌にすることで、多少言い回しに難があったとしても、相手は納得せざるを得なくなる。
説得力・共感がある
毒舌を心地よく聞かせるために必要なものは、説得力だ。共感できる毒舌は、問題提起から結論まできちんと筋が通っている。逆に言えば筋が通らない毒舌は、ただの悪口かもしくは一方的な自己主張に過ぎないのだ。
だから、相手にされず嫌われ者になってしまう。毒舌キャラで人気を取りたいなら、まずは説得力と共感を伴うようにしよう。
聞き上手である
有吉やマツコをよく観察してみると、実は非常に聞き上手であることがわかる。相手の話をきちんと聞き、意見を一度飲み込んだ上で、抜群の反応・リアクションを返すのだ。コミュニケーションが正しく成り立っていて話の筋も通っているため、聞いている相手も不快感を覚えない。
毒舌を正しくマスターしている人は、誰もが聞き上手だ。一方的な悪口ではなく、独りよがりな自己主張をしている訳でもない。筋の通った核心を突くリアクションでコミュニケーションが取れているからこそ、毒舌は聞いていて楽しいのだ。
言葉選びに優れた的確な代弁である
毒舌を吐くなら、根拠を持った的確な意見でないと意味がない。言葉選びや表現を間違えると、相手の行動を間違った方向に導きかねない。
例えば本気で結婚したい人から相談を受けたときに、下記2つのアドバイスをすると相談者の行動は大きく変わるはずだ。
アドバイス①「本気で結婚したいなら、積極的に出会いを求めたほうがいいよ!最近はいろんな婚活サービスもあるし、一つでも多く参加してみたら?」
アドバイス②「本気で結婚したいなら、結婚相手を真剣に募集している人と出会うべき。婚活は友達の輪を広げるものじゃないから、確実に結婚相手と出会える場所に行きなさい」
アドバイス①は情報が不確実なので、相談者が無駄な動きをする可能性が高い。お見合いパーティーや婚活イベントだけでなく街コンや合コンにまで足繁く通い、結局相手が見つからないことも十分ありえるのだ。
しかしアドバイス②であれば、まずは結婚相手が高確率で見つかる場所を探すところから始まる。アドバイスの言葉一つが、相談者の行動を左右するのだ。
フォローを忘れない
有吉やマツコの言動を観察していると、毒舌を吐いた後にきちんとフォローを入れていることに気づくはずだ。一見すると刺々しい言葉を使っているが、意見を押し付けることはせず、また相手の良い点はきちんと認めることも忘れない。
相手のフォローをきちんと行うからこそ、納得性・信頼性が増して周囲の人に受け入れてもらえるのだ。
毒舌と悪口の違い
嫌われない毒舌の条件を考えると、毒舌がいかに高度なテクニックなのかをお分かり頂けると思う。大抵の人が毒舌キャラになろうとして単なる悪口を言うだけに終わってしまうのは、高度なことを表面だけ真似してやろうとしているからだ。
実際、毒舌と悪口は非常に似ているようで全くことなる。色んな解釈があるが、最もわかりやすいのは相手に対する好意や愛情があるかどうかだ。毒舌を言う人は、根底に強い愛情がある。悪意を持っていないので、相手の言うことを素直に受け入れてコミュニケーションが成り立つのだ。
反対に悪口で終わってしまう人は、相手に対する愛情や好意がなく悪い印象をもっていることが多い。だから相手を傷つける発言をしてしまうのだ。
相手に対する愛情を持つことで、悪口も毒舌に変えることができる。毒舌キャラになりたいのであれば、テクニックはもちろん、相手に対する愛情や好意を常にもつことを忘れないようにしたい。
嫌われない毒舌には高度なテクニックと強い愛情が必要
いかがだろうか。毒舌キャラを演じることがいかに難しく、技術が必要なことを分かったと思う。頭の回転の速さや語彙の多さももちろん、相手を注意深く観察して話を聞くコミュニケーション力と相手に対する関心や愛情がなければ、毒舌は成り立たないのだ。
もちろん毒舌の基本を知った上で毒舌になる方法を探っていくのも良いが、自信がないのであれば下手に毒舌キャラを演じるのを避けた方が無難だ。過去に毒舌キャラで婚活に挑んでいたという人は、ぜひ見直してみてほしい。
結婚相談・婚活アドバイザー 田村智泰
「婚活で人生が変わった。」「結婚相談所で運命のパートナーに出会えた。」そんな方を1人でも増やせるように、結婚相談・婚活アドバイザーの立場から結婚相談・婚活業界の健全な発展を支援しています。
ライフデザインカウンセラーベーシック講座 第140230号
日本ライフデザインカウンセラー協会HP:https://www.counselors.jp/