風のように流されながら相手を知る
「風流」という言葉を聞いたことがありますよね。辞書を引くと、雅(みやび)とか、上品な趣(趣向)と書かれていますが、もともとの意味は違ったようです。本来は、『迷いながら生きる中で風に流されながら育っていく人格』のことを風流と言ったそうです。
これとよく似た言葉に、「風格」や「風貌」といった言葉があります。これらの意味を英語で表現すれば、パーソナリティ、またはキャラクター。風流、風格、風貌、パーソナリティ、キャラクター・・・。こういった言葉は、個々の見た目や雰囲気などを表すときに使うことが多いですね。
そして興味深い点が、すべてに共通するのは『風』という字。あるとき、お寺の住職が話してくれました。人は弱さを克服しようと考える瞬間、“強くなりたい”と自分に言い聞かせる習性があると。迷ってはダメだ、とか、自分の意思をしっかりともって、とか、一つの道筋を決めようとする生き物だと。芯が弱い、流されやすいなど否定する人もいるが、迷いながら生きる中で次第に育っていく人格も悪くないのではないかと。そして、ちょうどいい弱さが人間を物語るとのこと。迷い、傷つき、流されながら弱さを知るそうです。
だから人間の生き方には「風」が必要。風流、風格、風貌・・・。その人が“どんな風の中で生きてきたのか”が、キャラクターやパーソナリティを作り上げていくわけですね。
対人関係、コミュニケーション、恋愛。共感し合うことができても、違う環境で育った者同士が底辺から分かり合うことは難しい。しかし、相手と会話する際、相手に伝えようとする際、相手のことを理解しようとする際、その人が“どんな風の中で生きてきたのか”を知ろうとすれば、その人のキャラクターや価値観を感じることができるのではないでしょうか。
婚活において互いの価値観を知ることは重要
価値観が合わない相手とは結婚しないほうがいい、そう話すアドバイザーがほとんどです。心理学の専門家も理由づけて述べるくらいです。いかに価値観が合う相手を選ぶかによって、結婚生活を長続きさせる秘訣となるそうです。
異性と出会いコミュニケーションをとる際は、価値観の相違や相手の価値観を知ることが大きな課題となります。でも、価値観がピッタリ合う人と出会うのは難しい話。あくまでも「価値観が似ている人」という話ですから、多少なりと相手の価値観を受け入れる気持ちも忘れてはいけないのです。
つまりバランスの問題。つり合わないレベルなら縁が無かったと諦め、理解できる範囲なら妥協することも必要かもしれませんね。夫婦とは、持ちつ持たれつ、支え支え合い。価値観が互いに似ているということは、結婚の基盤と言っても大げさではないでしょう。