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子連れで再婚する際に必要な手続きを知っておきましょう
一度結婚をして離婚や死別をした場合、モラルに反しない限り恋愛は自由です。離婚後、新しいパートナーができて、子連れ結婚をすることはよくあること。
そのような時、自分の子どもとパートナーとの法的な関係はどのようにしたらベストなのでしょうか?
結婚手続きを済ますと「自分とパートナー」だけでなく「自分の家族(親・兄弟姉妹)」と「パートナーの家族」との繋がりも法的になります。
子連れ再婚の場合「パートナーと子ども」「パートナーの家族と自分の子ども」はどうなるのでしょうか?
養子縁組をする?
子連れで再婚する場合、養子縁組の話は必ずといってもいいほど、頭をよぎるトピックです。
養子縁組をしなければ、再婚できないわけではありません。再婚しても、新パートナーと自分の子どもが養子縁組しなければいけないという義務はないのです。
しかし、養子縁組手続きをしない場合、一緒に暮らしていても、自分の子どもにはパートナーは法的に永遠に赤の他人ということになります。
養子縁組とは?
養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組と2種類あります。
厚生労働省では以下のように記載されています。
普通養子縁組は、戸籍上において養親とともに実親が並記され、実親と法律上の関係が残る縁組形式。特別養子縁組は、昭和48年に望まない妊娠により生まれた子を養親に実子としてあっせんしたことを自ら告白した菊田医師事件等を契機に、子の福祉を積極的に確保する観点から、戸籍の記載が実親子とほぼ同様の縁組形式をとるものとして、昭和62年に成立した縁組形式。
出典:厚生労働省[PDF]普通養子縁組と特別養子縁組について
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普通養子縁組とは、新しいパートナーと子どもの同意により成立するもので、本当の親との親子関係は、法的にそのまま残ります。
戸籍の表記も、「本当の親の名前」と「新しい親の名前」の両方が記載され、新しい親との関係は「養子」あるいは「養女」となります。
特別養子縁組は、家裁によって成立するものです。原則6歳未満の幼児に適応されるもので、本当の親との親子関係がなくなります。
戸籍には実親の名前は記載されず、表記も「長男」あるいは「長女」となります。
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ほとんどの再婚の場合、養子縁組をするのであれば「普通養子縁組の手続き」をとるということになります。
この手続きをすることで、母親の新しいパートナーと子どもは、法的に親子関係があるということに。
普通養子縁組の手続き方法
手続き方法
「養子縁組届」の用紙を記入して受付窓口へ提出します。20歳以上の証人2人の署名が必要となります。
「届出人」は養親及び養子。養子が15歳未満の場合は法定代理人が必要となります。普通養子縁組の手続の要件は以下のとおりです。
要件
・養親が成年であること
・養子が養親の尊属又は年長者でないこと
・養子が養親の嫡出子又は養子でないこと
・夫婦の一人が養親又は養子となる場合は配偶者の同意があること
・配偶者のある者が未成年者を養子とするときは夫婦で縁組すること(養子が配偶者の嫡出子の場合を除く)
・養子が未成年者のときは家庭裁判所の許可があること(自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合を除く)
・後見人が被後見人を養子とするときは家庭裁判所の許可があること出典:申請・届出の総合窓口 申請・届出の総合窓口:養子縁組届
新しいパートナーが未成年である場合や、養子となる子どもより若い場合は、手続きがとれません。
嫡出子、つまり、戸籍上自分の子どもとして記載されている子どもを養子することはできません。
添付書類
・養親・養子の戸籍全部事項証明(戸籍謄本)各1通(本籍地の市区町村へ届出る場合は不要)
・養子が未成年者の場合や、後見人が被後見人を養子とする場合は、家庭裁判所の審判書の謄本(自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は不要)
・届出人の印鑑出典:申請・届出の総合窓口 申請・届出の総合窓口:養子縁組届
受付窓口・必要書類
受付窓口は、各市区町村役所の戸籍を扱う部署になります。必要書類は、要支援組届出書、届け人の印鑑、届出人の本人確認書類。手数料はいりません。
窓口の受付時間は、各市町村区役所によって、違う場合もありますので、ネットや電話で確認してから提出しに行きましょう。
手続き期間は、1〜2カ月くらいとなります。
養子縁組をする?しない?どっちがいいの?
養子縁組の手続をしなければ、パートナーに、連れ子の扶養義務は発生しません。
子どもも、将来血の繋がっていない母親の再婚相手が要介護になったとしても、金銭的なサポートや面倒をみるという義務はありません。
仮に、自分の母親とパートナーの結婚が40年続いていたとしても、パートナーが亡くなった時の遺産を相続する権利はなく、借金があった場合、その債務を請け負う義務もありません。
逆に、結婚期間が3ヶ月でも養子縁組を済ませていれば、子どもは遺産相続権ならびに扶養請求権が発生します。
養子縁組手続を済ませると、養子の実の母親が不慮の事故や病気で急死した場合であっても、パートナーには法的に養子を扶養する義務があります。
親子関係を勝手に終了することはできないのです。
養子も養親が要介護になった時に、扶養する義務が生じます。借金があれば、その債務を法的に請け負う義務も発生します。
養親に実子がいた場合、養子縁組をしていれば、実子と養子の配当分は法的に対等なのです。
子どもを連れての再婚は、きれい事では済まされないことも多々あります。
事前に起こりうる事例などをリサーチしておくことで、トラブルを少しでも防ぐことができますね。