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夫婦にとっての愛、それは他人が踏み入ることのできない二人だけの絆。結婚生活いいことばかりじゃなく困難もあって、だけどそれを乗り越えていかなければなりません。
結婚して10年、20年と時が経つにつれ、感じることは“もし突然、最愛の人が亡くなってしまったら・・・”という不安。
当たり前の日常が突然なくなる、そんなこと想像する瞬間があるでしょうか。おそらく、まだ若い30代では実感できない感覚。
もしも明日、旦那さんが亡くなることを想像したら、後悔のない夫婦関係を築けてきたと胸を張って言える女性が何人いるでしょう。
愛を積むひと
そんな夫婦の愛と死を感じさせられる物語が、昨年6月20日に公開された映画「愛を積むひと」。
愛を積むひとは日本で最も美しい場所と言われる北海道の美瑛を舞台にした映画で、東京から移住してきた一組の夫婦をテーマにした物語。
ガーデニングや部屋のリフォームを楽しむ妻・良子に対し、仕事一筋だった夫・篤史は暇を持て余す毎日。
そんな夫を見かねた良子は篤史に対し、「家の周りに石段を積んでほしい」と頼みます。穏やかな生活が続きますが、ある日、持病の心臓発作で良子が他界。
妻の死に絶望した篤志は心を閉ざし、孤独な日々を過ごします。しかし、良子が死の直前につづった夫宛ての手紙を見つけ、それをきっかけに人生を見つめ直す篤志。
初日の舞台挨拶では主演の佐藤浩市さんへのサプライズとして、佐藤さんの奥さまが内緒で書いた手紙が会場で読み上げられました。
浩市さんへの手紙
浩市さん、心臓が飛び出るくらいビックリしていることと思います。すみません。
私は、この作品を観るのが今日で3回目。きっとまた、客席で号泣していると思います。
もし自分が、夫よりも先に旅立つことになったら・・・ふと、そんなことを考えてしまいました。
良子さんのように大きな愛をもった嘘を、浩一さんや子供たちに突き通せるでしょうか。最後まで、あんなに強くいられるでしょうか。罪を犯した若者を大きな愛で許せるでしょうか。
そして、自分がいなくなったあとを想像し、あんなに優しい手紙を書くことができるでしょうか。私には、とても自信がありません。
結婚した当初、身体があまり丈夫でない私は、「私が死んだら、保険金で好きな映画を作ってね」と、あなたに言ったことがありました。
もちろん当時はまだ若く、死という存在が遠くにありました。でも、自分が浩市さんよりも先に逝ってしまうような気がしたのは本当です。
今の私は違います。篤史さんと似ていて、役者の仕事しかできない浩市さん。
あなたを残して旅立つことは、家族はもちろん、事務所のマネージャーさん、映画関係者の皆さまに、とてつもないご迷惑をおかけする事になり、それを思うと、とても先に逝くことなどできません。
この作品を通じて、“命には限りがある”ということを痛感しました。当たり前の日常が突然なくなることもあるということも。
そのとき後悔しないように健康を大事に、感謝しながら、大切な家族や大切な方たちの時間を丁寧に過ごしたいと思います。
23年前に浩市さんから頂いたお手紙にあった、「僕は一生あなたの味方です」という言葉を今も忘れません。
私の一番の味方は、浩市さんです。だから、どんな困難も乗り越えていけます。これからも、家族でいろんな愛の形を積み上げて、沢山の笑顔につなげていきましょうね。
浩市さん、私は浩市さんを一人にしないように、浩市さんよりも一日でも長く生きることを約束します。
引用:maidigitv(https://www.youtube.com/watch?t=37&v=Qw-EIyag2yQ)