32歳、独身、彼氏なし。
結婚相談所で出会ったS原さんと、ちょっと「いい感じ」になってきました!毎日の仕事にも身が入ります。会議が立て続けに入っていても私は笑顔でいることができます。だって私にはS原さんがいますから。
会議の途中で、私は婚活パーティからの激動の日々をぼんやりと振り返っていました。いつのまにか独身生活が長くなって、一人でいることにすっかりと慣れてしまいました。誰にも干渉されない生活が当たり前だったのですね。変化のない生活の中で、今まで「結婚」というものについて、具体的に考えたことはありませんでした。
今考えると、私は多分、自分自身にコンプレックスを抱いていたと思うのです。この歳になっても、結婚の具体的なビジョンがなかったのですから。「結婚なんて考えられない」と言いながら、どこかおいてきぼりになっていることに不安を抱いていたように思います。
毎日同じことの繰り返し。朝起きて仕事に行って帰宅して寝る。この繰り返しの日々をなんとか変えようと思っても、私は積極的に変えようとは思わなかったのですよね。
この私の「漠然とした不安」を、結婚相談所で担当してくださっているM崎さんは親身になって聞いてくださいました。そして私に最適なお相手の方を紹介してくださいました。自分ひとりだったら、ここまで結婚に積極的にはなれていないと思うのです。私に足りないものは、「今の自分自身を肯定すること」そして「前に進む力」だったのかもしれません。
30歳過ぎまでずっと一人で生きてきました。今まで自分を肯定する人は自分しかいませんでした。そんな時間が長く続くと、もう自分を認めることに疲れてしまうんですよね。あきらめの気持ちが大きくなってきてしまうのです。「このくらいでいいや」「どうせ適当にやっていればいいんでしょ」と。半ば投げやりになってしまうのです。
私は今頑張って日々を生きぬいています。そんな私を引き上げてくれたのがM崎さんであり、M崎さんに引っ張ってもらってS原さんという男性に出会えたような気がしています。
「おい、起きてるのか」
「はっ、はい!」
いつのまにか、会議が終わっていたようでした。大変大変。私は上司ににらまれて慌てて立ち上がりました。私に声をかけてきた上司はねちねちといやみを言うのが得意なオバサン男なのです。
「おまえさぁ」
そうなのです。人を「おまえ」呼ばわりする人なのです。私はいつもカチーンときながら、説教を聴いているのでした。
「はい、なんですか?」
「おまえさぁ、こないだの案件、本当に一人でやれるの?」
「は、はい…」
「おまえさぁ、どう思ってるわけ? やる気があるのかないのか…」
また長ったらしい説教が始まった。私は嵐が過ぎ去るのを待とうと携帯の時計に目をやりました。最低20分はかかるだろうなと計算をしようと思ったのです。すると、新着メールの知らせが目に留まりました。
「S原さんかな…」
メールはやはりS原さんからのもので「これから半日出張です。仕事がんばってね」という短いものでした。でも私は心が温かくなるのを感じました。
「おまえ、聞いてんの?」
「はぁい!」
私はニコニコの笑顔で説教を受けていたようで、異様な光景だったとあとで婚活仲間の同僚に言われてしまいました。でも、婚活がうまくいっていると仕事も頑張ろうと思えますね。生活にハリが出るって素晴らしいですよね。次回のレストランデートが待ちきれません。
第六話に続く・・・
▼【婚活物語】32歳独身OLの婚活ストーリー 全10話
【第一話】32歳、独女。婚活パーティに行きましたが失敗しました
【第二話】32歳、独女。結婚相談所の資料を見てやる気が出ました
【第四話】32歳、独女。結婚相談所で知り合った異性と会いました
【第六話】32歳、独女。結婚相談所で出会った相手と二度目のデート
【第八話】32歳、独女。婚活相手とデートを重ねて毎日幸せです
【第十話(最終話)】あれから3年、私は毎日楽しく暮らしています
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