32歳、独身。彼氏なし。
私のつまらない日常は、一生続くものだと思っていました。今までも仕事ばかりの人生だったし、これからも仕事ばかりをして年老いていくものだと思っていたのです。でも、婚活パーティに足を踏み入れてから、私の人生が大きく動き始めました…。
まずは、私のつまらない、本当につまらない日常についてお話します。9時までに通勤をすればいいのだけど、電車の中で立つのが嫌なので、6時半には電車に乗っています。
通勤時間は1時間。途中で乗り換えがないので、車内では比較的のんびりとできます。電車に乗り合わせた同じ年頃のお姉さま方は、鏡を見たり化粧をしたりと、女子力アップに余念がないのですが、私はというと、スマホでニュースサイトばかりを巡っています。ゴシップから政治情勢をざっと知るのに、ニュースサイトはとても便利なのですね。時々ニュースサイトのコメント欄に意見を書き込み、乱闘まがいのやりとりをすることもあります。・・・女ざかりの32歳、なにやってるんでしょう・・・。
「婚活パーティ?」
私が聞き返すと、にこにこ顔の同僚が大きくうなづきました。時はお昼休み。いつものようにコンビニ飯を平らげたところ、同僚がこんな話を持ちかけてきたのです。
「そう、隣のビルの一階に、バーがあるでしょう。婚活パーティをするらしいんだけど、人が足りないらしくって」
「それで、私に?」
「私とあなたですって。パーティにはバーは一切関わっていないらしいの。場所を貸すだけみたい」
「うーん、私のほかにもっといい人がいるんじゃないの?」
「この会社には、私とあなたしか女性がいないじゃないの」
・・・そうでした。私の勤めているのはコンピューター関連の会社で、社員の殆どは男性です。それゆえに、新しい女性が入社してもすぐに社内結婚をして辞めてしまうのです。そんななか10年も勤めている私ってば、なんて貞操観念がしっかりしているんでしょう・・・。いや、単にもてないというだけなのですが。
「ねえねえ、行きましょうよ」
ちなみにこのぐいぐい私を押してくる同僚は、バツイチで子持ちの、1年目のパート社員。最近彼氏と別れて寂しい思いをしているのは知っていました。ですから私は、
「じゃあ、一緒に行きましょうか?」
とお返事しました。同僚に新たな出会いがあればいいなと願いながら。婚活パーティについては殆ど知識がなかったので、インターネットで調べました。幹事が要らない集団合コンなのですね。調べたところによると、5分から10分程度で全ての異性と面接をしていくのだそうです。その後印象に残った異性をカードに書いて、最後にカップルが成立するのが一般的な流れのようです。
会場となるバーに到着して早々、まず受付を済ませました。
名前を告げると、プロフィールカードを渡されます。自分の名前や年齢、職業などの一般的な質問から、結婚歴や子供がいるかいないかなどディープな情報を書く欄まで。ちょっと思ったのですが、これって嘘ついてもばれませんよね・・・?受付で書類を提出したわけでも、名刺を出したわけでもありません。信用に足る婚活パーティなのだろうか。不安が募ります。
その後、スタッフに奥の席に誘導されるも・・・。何度か来店したことのあるバーだったのですが、いつもより照明が落とされています。薄暗いというよりも、ほとんど真っ暗。そしてその中を大音量で音楽が流れていました。9割方の席が埋まっていたのですが、向かいに座った男性の顔すらはっきりと分かりませんし、話す声も聞こえません。声を大にして言います。
「ここから二時間は、人生においてもっとも価値のない二時間だった」と。
事前情報と同じく、入れかわり立ちかわり全員の方と五分間ずつお話をしましたが、BGMが大きかったため、二時間ずっと大きな声を出し続けているという状態でした。また暗かったのでルックスがよくわからなかったのですね。格好のいい人ばかりを求めているわけではないけれど、年齢が分からないほど暗かったので非常にストレスの溜まった二時間でした。私はお酒ばかり飲んでしまいましたよ。同僚は下戸なので、ストレスを相当溜め込んでしまったようでした。
勿論カップル成立には至りませんでした。同僚も同じく、カップル不成立。こんな環境で結婚相手なんて見つかるわけがないのです。何人かカップルが成立していましたが、正直に言うと、あれは仕込みではないのかと思ってしまいました。
「婚活パーティって、こんな感じなんだね・・・」と二人で呆然としながら駅前のカフェに入りお口直しをしようと思ったとき、手に取った雑誌に「結婚相談所」の記事を見つけました。
「結婚相談所か。結婚相談所に相談したら結婚できるのかな」と言うと、同僚はふーとため息をついて、
「どうせ今日参加した婚活パーティみたいなものよ」とやさぐれていました。
「まあまあ、そう言わずに。資料だけでも請求してみようよ」
あまりにひどい婚活パーティの後でいつもと違う気分だったことと、同僚を元気付けたいことから、私はその場でスマートフォンから資料請求の申し込みをしました。
・・・こうして軽い気持ちで資料請求をしたことから、人生の歯車が少しずつ回り始めていったのです。
▼【婚活物語】32歳独身OLの婚活ストーリー 全10話
【第一話】32歳、独女。婚活パーティに行きましたが失敗しました
【第二話】32歳、独女。結婚相談所の資料を見てやる気が出ました
【第四話】32歳、独女。結婚相談所で知り合った異性と会いました
【第六話】32歳、独女。結婚相談所で出会った相手と二度目のデート
【第八話】32歳、独女。婚活相手とデートを重ねて毎日幸せです
【第十話(最終話)】あれから3年、私は毎日楽しく暮らしています
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