増える否婚者
厚生労働省の調べによると、独身男女の7割が「結婚したい」と答えている。その反面、男性9.4%、女性は6.8%が「結婚するつもりはない」と答えており、およそ1割の独身者は“一生独身のままでいい”という考えだ。
生涯未婚率の増加や少子化が悩まれる昨今だが、「結婚したいのに結婚できない」独身者が増えている以外にも、結婚を望まない“否婚者”が増えていることも原因の一つ。自らの意思で結婚を否定し、独身生活を選ぶ未婚者が“否婚者”である。
では、なぜ“結婚を望まない”のだろうか?その謎を解く鍵として、週刊雑誌AERAが実施したアンケート結果を参考にしてみよう。20代~40代の独身男女622人を対象に、結婚に対するメリット・デメリットを調査した結果では、次のような解答が述べられている。(6月22日発売号)
- 権利が半分になり、義務が2倍になる(29歳・男性)
- 人生に重りをつけられる(41歳・男性)
- 子どもをもつことがメリットにもデメリットにもなり得る(30歳・女性)
また、「いずれ結婚するつもりはあるか」といった質問に対し、およそ4人に一人が「結婚するつもりはない」と答えた。
驚くことに20代の回答者のうち15%以上が「結婚するつもりはない」と答えており、結婚適齢期と呼ばれる若年層の間でも“否婚派”が増えている。結婚しない理由として、弟1位は「結婚よりも趣味を優先」、2位は「仕事を優先したい」、3位は「経済的な不安」という結果になった。
さらに驚いたのは、「恋愛したくない」と答えた男女が約3割いたこと。そのうち、男性の52%、女性は71%が「恋愛そのものがわずらわしい」と答えている。この調査結果に対し、社会学者の水無田気流(みなしたきりう)さんは次のように分析した。
“「恋愛がわずらわしい」というのは、恋愛や結婚のハードルを高く設定しすぎて選り好みが強くなり、よほど理想的な相手でない限りは挑戦しようとしないから。
草食系なのではなく『美食系』。女性は白馬の王子様をいつまでも待ち続けているし、男性のほうも理想の白雪姫が起きてくるのをただ待っているのです。
参考:AERA 2015年6月22日号
現代の新種とも言える“否婚者”
増え続ける未婚率の問題に大きく影響してくることは間違いない。つまり否婚者は、「今よりも生活の質を落としたくないから結婚しない」という選択肢を自ら選んでいることが分かる。その結果、今より生活レベルが向上しないのなら“独りでいたほうがマシ”となるわけだ。現実的と言えば現実的だが、“勘違い”とも思えてくる。結婚は生活レベルを上げるためにするもんじゃない。
強いて言うなら、“人間の質”を磨くためにあるもの。今こうして暮らせているのは、親が産んでくれたからにほかならない。夫婦、家族、子供、結婚生活を通して「愛情を育む」という絆が人間の質を一回りも二回りも磨いてくれるのだ。それを「わずらわしい」の一言で片づけてしまうのは悲しくもあり残念。
結婚が人生の全てではないが、かといって“食わず嫌い”はお粗末だ。将来のために、あらためて結婚に対する考え方を見直してほしいと願う。
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