さて、目当てのレストランは水族館から程近いところにあります。歩いて向かう道すがら、S原さんのご家族のことをお伺いしました。
「S原さんは、どうして婚活をしようと思ったんですか?」
「僕の親は、健康だけがとりえだったんですね。建設会社に勤務していて、全国を飛び回っていたんです」
「お父様はお仕事を忙しくされていたんですね」
「はい、それで・・・。ある日、父が倒れたんです。過労でした」
「それは・・・」
S原さんは、「情けない」と顔を振りました。
「僕も父も同じだけ歳を取るのに、父のことはいつも健康的で精力的なイメージのまま固定されていたんですよね。そんなことないのに」
「そんな、情けないなんてことないですよ」
「もうすっかり父は元気なんですけど、そろそろ自分も身を固めたいなと思ったんです。さ、このレストランじゃないですかね?」
道の反対側に、こじんまりとしてかわいい平屋の家屋が見えました。
「家屋を改装してるらしいですよ。さあ行きましょう」
レストランでは、今まで以上により深い話をすることができました。なにより、S原さんの結婚に対する本気度が窺い知れたのが大変嬉しかったです。
ご家族のお話を伺うと、S原さんはとても楽しそうにお話をなさるんですよ。ポーズではなく、日常的に家族を大切にされている様子がひしひしと伝わってきて、S原さんの人格者の部分に大変心が惹かれたのでした。ユーモアもあり、サブカルチャーにも詳しく、趣味も楽しんでいらして、かつ教養もとても深いご様子。
なんだか私にはもったいない気がしますが、デート後に嬉しいメールが舞い込んで来ました。
「また会っていただけませんか?」文字が光り輝いて見えました。
「勿論です! こちらこそ!」と即お返事をすると、S原さんから「ありがとうございます」と返信が来ました。「婚活を成功させたい」という思いから、「S原さんと結婚したい」という気持ちに変わってきたように思います。S原さんも同じ思いでいてくれたらなと思っていますが、果たして・・・。
第八話に続く・・・
▼【婚活物語】32歳独身OLの婚活ストーリー 全10話
【第一話】32歳、独女。婚活パーティに行きましたが失敗しました
【第二話】32歳、独女。結婚相談所の資料を見てやる気が出ました
【第四話】32歳、独女。結婚相談所で知り合った異性と会いました
【第六話】32歳、独女。結婚相談所で出会った相手と二度目のデート
【第八話】32歳、独女。婚活相手とデートを重ねて毎日幸せです
【第十話(最終話)】あれから3年、私は毎日楽しく暮らしています
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